遮熱塗料の色相による温度差

遮熱塗料は、その色相によって、日射反射率が異なり、塗装した屋根材の表面温度にも、差異が生じます。
色相によって、どの程度の温度差が出るものかを、実験してみました。
住宅で多く使用される濃色では、思ったより遮熱効果が、少ない結果となりました。
遮熱塗料は、その色相によって、日射反射率が異なり、塗装した屋根材の表面温度にも、差異が生じます。
色相によって、どの程度の温度差が出るものかを、実験してみました。
住宅で多く使用される濃色では、思ったより遮熱効果が、少ない結果となりました。
コロニアルクァッド(ケイミュー)の新品に、メーカー標準仕様により塗装を施した。
塗料の色 | 日射反射率 | 試験基材の様子 |
---|---|---|
サーモパールグレー | 75.1(56.3) | ![]() |
サーモナチュラルグレー | 54.3(28.9) | ![]() |
サーモスカイブルー | 59.1(33.2) | ![]() |
サーモコーヒーブラウン | 49.2(25.3) | ![]() |
サーモグリーン | 48.5(26.4) | ![]() |
表面温度値は計測誤差を少なくするため、3回計測しその平均値としました。
遮熱塗料の色 | 測定時刻と表面温度(℃) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8:00 | 9:00 | 10:00 | 11:00 | 12:00 | 13:00 | 14:00 | 15:00 | 16:00 | 17:00 | |
サーモパールグレー | 32.6 | 44.3 | 46.2 | 52.7 | 53.0 | 51.4 | 49.7 | 46.5 | 42.2 | 37.7 |
サーモナチュラルグレー | 35.8 | 51.8 | 53.7 | 62.5 | 62.9 | 61.1 | 57.0 | 52.6 | 45.5 | 38.9 |
サーモスカイブルー | 35.8 | 51.4 | 56.5 | 63.1 | 64.0 | 62.5 | 57.2 | 54.1 | 45.7 | 38.4 |
サーモコーヒーブラウン | 36.0 | 53.6 | 55.9 | 64.3 | 65.1 | 63.4 | 56.3 | 52.7 | 46.4 | 39.3 |
サーモグリーン | 36.0 | 52.8 | 57.8 | 64.5 | 66.1 | 64.0 | 58.8 | 54.8 | 46.2 | 39.0 |
無塗装 | 36.8 | 56.4 | 61.2 | 66.3 | 69.1 | 66.4 | 63.2 | 57.1 | 47.2 | 38.2 |
ここでいう無塗装品とは、コロニアル・クァッド ( ネオブラック ) の新品のことをさします。
上記計測表の数値をグラフにして見ました。
外気温、日射量、遮熱塗料の色相の関係について、まとめてみました。
住宅塗装で、使用されることの多い濃色の遮熱塗料では、一般に宣伝されている数値より、遮熱効果は低く、遮熱効果をあまり期待できない。
一般に宣伝されている遮熱効果を期待するのであれば、少なくともパールグレー以上の淡彩色を、選択する必要がある。